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今日もキツネの嫁入りなり

コンコンコンと響いてく

アルバイト中、僕は10倍界王拳、おばさんは30倍界王拳。嫉妬すら追いつかない。 憧れすら届かない。

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その日、僕はアルバイトをしていた。レストランの厨房で皿を洗い、たまに料理の盛り付けをする、その繰り返し。次から次へと洗い場へ送られてくる皿の種類と料理コースを見極め、優先順位を付けていく。数の少ない皿はなるべく早く洗って棚に戻しておかないと料理が運べなくなる。地味だが重要な仕事だ。「このレストランは僕を中心に回っている! 僕がクリティカルパスだ!」と思うことで何とかモチベーションを保ちつつ、たまに皿を割りつつ、まかないを食べる。そんな仕事だ。

「きつねちゃん。お皿ここに置いとくよ」
「あ、はい。どうぞ~」

「きつねちゃん。ピザ焼いて」
「わかりました~」

「きつねちゃん。パソコン直して!」
「え?」
「料理長! きつねちゃん、借りますね」
「どうぞ~」
「えぇ・・・」

 元々、僕はレストランのホールスタッフとして働こうと思っていた。募集要項にもそう書いてあった。でも、面接で店長に「今ちょうど洗い場の人が一人辞めて空いてるんだけど、新しい人が来るまでそこでもいい?」と言われ、承諾した。洗い場は代々パートのおばさんが二人でやっていた仕事らしい。僕も他の学生と一緒にホールをやりたかったが仕方がない。継続している一人のおばさんと洗い場を担当することになった。既にそれから2年も経っている。

 おばさんの仕事は早すぎる。速くて早い。神速だ。なんといっても効率が化物級で、僕の3倍はある。レストランを回すため、僕は修行をした。料理と皿のセット、無駄のない手さばき、食洗器・水抜き・電子レンジ・水汲み時の時間の使い方。僕だって常人の10倍は早くできるようになっていた。10倍界王拳だ。でも、どうしてもおばさんには追い付かない。常人の域から脱して初めて分かる速度。僕の3倍、つまり常人から見たらおばさんは常に30倍界王拳で戦っている。ヤムチャなど凄さが伝わらないレベルだ。

「きつねちゃん。このお皿しまってきて」

 おかしい。さっきから全力で皿をしまっているはずなのに、全然しまい終わらない。僕がしまう速度よりも、おばさんが洗う速度の方が早い。なんだこの世界は。なんだこの世界は。

 一ヶ月だけだが一人で洗い場をさばいていた実力はハンパじゃない。だってこのレストラン100人規模だぞ? カイリキーでも一人じゃ無理だろ! キラーマシンにはやぶさの剣を装備させてはやぶさ斬りをやっている、そんな脅威。

 

「きつねちゃん。恋人いるの?」

 

なんだと!? この状態で雑談もするのか!?

 

「きつねちゃんいそうだな~」

 

無理無理無理!

 

 雑談はおばさんの基本属性なんだ。だから雑談ができるんだ。まだ若い、そして男の僕には獲得できないスキルなんだ。これは熟練度ではない。属性のなせる業だ。だからこれは僕とおばさんの差にはカウントしない!

嫉妬すら追いつかない。 憧れすら届かない。

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本当はバイト帰りにオカマと人生相談をしたって話をするつもりでしたが、脱線に脱線を重ね既に1000字を優に超えてしまったので次回にします。

 

そういえば、今やっているドラゴンボール超では何かよく分からない状態になってるみたいですね。

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